医療法人財団健和会 臨床疫学研究所
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第11、12回対人援助のワークショップの報告

「頭が痛くなるほど考えた」

第11回対人援助のワークショップ2004.3.17-20
油谷美和 埼玉県立大学作業療法学科3年

 初日のオリエンテーションや読書会でお互いを理解し合う手がかりを得て、2日目から本格的に班ごとでの活動が始まった。各班は自分達が担当することになった対象者のカルテを参照することから出発する。スタートは同じであるが、そこから何を考えるかは各班に委ねられる。期間中、参加者は、ご本人・ご家族、そこに関わっている専門職にインタビューを行ない、ディスカッションを通して自分たちの考えを深めていった。それは、ご本人・ご家族についてであったり、ご本人に関わっている専門職種間の連携についてであったり、グループワークを通して明らかになった自分と他者の視点の違いであったり・・・というように、各班によって様々で、一言では言い表しがたいものであった。最終日には、その「頭が痛くなるほど考えた」ことを全グループが集まり発表した。対象者のカルテを見るという出発点は同じでも、それからの行動、話し合いで何を考えてきたのかは、班ごと、さらには参加者個人によって異なっていることがうかがえて、このWSの面白さが感じられた。


「3泊4日の歩み」

第12回対人援助のワークショップ2004.8.18-21
鈴木洋介 国際医療福祉大学作業療法学科4年

 今回、私は、「職種連携」は容易そうであるが、実は難しいということを実感した。「伝えること」と「受け入れ理解すること」、これらは、簡単な様で意外にも手強い。例えば、相手の表情や立場の違いだけでも「言いにくさ」を覚え、内容が重要であれば適当なことを言えない分、ジレンマが生じる。また、相手と意見が対立すれば感情が入り、冷静を保つためのエネルギーも必要となる。そうなると、伝える努力も理解しようとする努力も放棄してしまいそうにもなる。

 このワークショップで学んだことは、「伝えなければ伝わらない」ということと、「話を聴く」ということである。先入観を入れずに話を聴いて、共感できそうなところを見つけ、その部分から伝えていく。伝え方も言語的以外に、行動や態度で示すことも出来る。伝えるタイミングもある。そして、これを円滑にするためにも、相手との関係性を大切にする態度をもつ。

 臨床ではご本人を中心として、家族や多様な職種が関わっている。そして、多様な人間模様が繰り広げられる。このワークショップにも様々な職種の学生が居り、年齢も性格も立場もそれぞれ違う。臨床とは多少環境が異なるかもしれないが、チーム内で共に同じ方向へ歩んでいく過程は同じである。私はこのワークショップを通して、今回もまた、私なりの「宝もの」を見つけられた。

ともに、「柳原みさと健和病院通信」より抜粋


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